《ニュース・お役立ち情報》

―平成31年3月―


平成31年3月29

『中労委、コンビニ店主を労働者と認めず』

大手コンビニエンスストアとフランチャイズ契約を

結ぶ店主らでつくる団体が、会社との団体交渉に応

じるよう求めていた労働紛争について、中央労働委

員会は、店主は労働者とはいえないとして団体交渉

権を認めず、会社側が団体交渉に応じないことにつ

いては不当労働行為ではないとの判断を示しました。

労働組合法には労働者の定義が定められています。

 

労働組合法第3条

「この法律で『労働者』とは、職業の種類を問わず、

賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活す

る者をいう。」

 

この「労働者」にあたるか否か、最高裁判例や学説

によって、より具体的な判断基準があります。

詳細は省きますが、会社とその者との間の契約上の

文言ではなく、実体が労働者に該当するか否かで判

断されます。

今回は労働者性が否定されたというわけですが、店

主たちでつくる団体は、この判断を不服として訴訟

を起こす方針です。

まだまだ、この問題から目が離せません。


平成31年3月11

『セブンイレブンが時短営業を実験』

コンビニ大手のセブンイレブン・ジャパンは、全国

10店舗において時短営業の実験を始めることを明

らかにしました。

実験では、直営店を対象に午前7時から午後11時

までの営業時間とし、売上や来客数への影響を調査

しますが、原則として24時間営業の方針であるこ

とには変更なしとしています。

セブンイレブンでは、加盟店オーナーが人手不足を

理由に営業時間を短縮したことで、フランチャイズ

本部と対立しており、また、加盟店オーナーで作る

団体からは営業時間の見直しを要求されています。

 

まず基本的には、フランチャイズ加盟店のオーナー

は事業主であり労働者ではない、ということです。

コンビニの場合は、契約で24時間営業するという

合意を交わしているのでしょうから、自分の代わり

がいなければ自分自身で店に立つというのが筋であ

り、そこに労働法の規制は適用されません。

つまり、労働基準法では、労働時間を1日8時間ま

で1週40時間までと定めていますが、コンビニ加

盟店のオーナーが何時間仕事したとしても、それは

労基法違反にならないのです。

 

私も事業主です。

仕事が立て込んでいるときは休みなく何日も連続で

仕事しますが、逆に空いているときには、急遽休み

にしたり早仕舞いしたりします。

全て私に決定権があり、それに伴うリスクについて

は自己責任というわけです。

 

ところが、コンビニ加盟店オーナーの場合は、昨今

の人手不足では、アルバイトを雇おうにも人は集ま

らず、集めるために時給を引き上げれば、それはそ

れで収益悪化につながりますので、オーナー自身や

その家族で長時間店に立たなければなりません。

事業主として本来もっているべき裁量の範囲は、極

めて狭いといえます。

 

今回、やむを得ず時短営業したオーナーとセブンイ

レブン・ジャパンと対立は、今後どのような展開に

なるのかは分かりませんが、もし裁判ということに

なると、どのような結論が出るのでしょうか。

大きな影響がありますので、注目しています。


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